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セ・リーグの3/25強行開幕に考える

2011のプロ野球、リーグ戦は、パ・リーグは開幕を4/12に延期し、セ・リーグが予定通り3/25の開幕を決定した。

3/11の大地震からちょうど2週間後、個人的には、今回の決定には反対である。

「野球を通じて利益を上げ社会に還元する」「野球をやるのが責務」「やれるからやる」、という自らの立場だけのスタンスで押し通してしまうセ・リーグの決断には全く賛同できないし、144試合をぎりぎり組めるというパ・リーグの延期も同様である。

 

ただ、娯楽にせよイベントにせよ、何でも自粛・節電の空気はどうかと思う。

延期や中止には多大な負担も生じてくるし、一時的に電気を使っても、それが後の大きなエネルギーになって返ってくる可能性もある。

中止してしまったら取り戻すことはできないのだ。

 

今は、被災地を支援しながら、復興に向けて歩み始めなければならない。

そのためには、直接の経済活動はさることながら、日本全体を前向きな気持ちに盛り上げていかなければならないと思う。

元気を出していくのには、音楽も同様だが、スポーツには計り知れない大きな力がある。

 

プロ野球の開催準備ができているのは事実だと思うし、横浜の担当者の「待つとしても、いつになったら通常の状態になるか分からない」という声もあり、これはこれで正しいと思う。

だが、ファンや選手を無視したような、あまりにも一方的な決断だったのが問題なのである。

また、パ・リーグの4/12開催にも全く根拠がない。

心情的には受け入れやすくはなるかもしれないが、適当に延期をすればいい、というものではなく、先がわからない今の時点で4/12の開幕を決めてしまったパ・リーグにしても同様で、セ・リーグだけ叩かれる、というのもおかしな気がする。

パ・リーグの選手は4/12への延期、イコール4/12の開幕、を支持しているのだろうか。

「セ・リーグの選手がかわいそう」などという声もあり、4/12の同時開幕であったら許されるのか、選手も世間も納得してしまったのではないか、というところが少し怖い。

休止している火力発電を稼働させるのには2~3ヶ月必要というし、4/12に電力が回復している、原発問題が解決している、余震がなくなっている、という保証はどこにもないのである。

 

であれば、「鶴の一声」ではなく、周りの声を取り入れながら、予定通り3/25に同時開催しよう、という流れにできなかったのか。

 

例えば電力について。

出典により異なるが、屋外球場のナイターで300~1,000世帯の1日の電力消費量、ドームでは約10倍の3,000~5,000世帯分の電力を1試合で使うようである。

もし往復2時間、観戦3時間の計5時間の間、仮に10,000世帯が外出して家の電気を消してスタジアムでナイターを見ていれば、照明や暖房需要の多い夜間の個人宅の節電にはなる。

家で半分の照明と弱めの暖房をつけながらテレビを見るのではなく、スタジアムの明かりの下で万単位の人が、数時間、集団で過ごすことになる。

放送等、周辺の電力も必要になるが、もしかしたら満員の観客を集めて開催することが節電につながるかもしれないのである。

 

「家の電気を消して、家族総出で野球観戦をして節電に協力しましょう! スタジアムを満員に!」

と。

こういうことは、中止にせよ開催にせよ、賛否両論はあって当然だ。

ただ、単にチャリティーというだけでなく、そういう出し方もあったかもしれない。

5,000世帯の電力というと、ものすごく大きく聞こえるが、プロ野球には、それ以上の動員をする力、それだけの人を1ヶ所に集める力があるのである。

もちろんナイター自体の節電は必要だし、可能ならデーゲームや、消費電力の多い東京ドームより神宮での代替なども模索するべきだが、1つ1つ、きちんとした検証と説明をするべきだったと思う。

 

プロ野球は戦後3ヶ月後に選手が希望して再開した、と言う。

これはすばらしいことで、そこからプロ野球を発展させてきた選手たちのパワーには賞賛してやまない。

ただこの例は、プレーをする選手当人たちがやる気になって、しかも3ヶ月後、という期間である。

今回は大地震からまだ1週間。

まだ被害状況の把握もできていない状況で出しても場違いなことは言うまでもない。

今回、選手が希望しない、ファンも望まない、現況への納得できる説明もしない、今の状況では、開催への賛同を得るのは極めて難しい。

 

さて、選手たちの対応も微妙なところだ。

選手会長、新井貴浩選手が選手側の要望としてそこまで強く主張した、というのは、対等な立場というところで、今後のNPBとの関係で非常に価値のある、勇気のある行動だったと思うが、やる心情になれないからやりたくない、というのも気持ちは十分わかるしその点は全く同意できるのだが、主張が少しワガママである。

過密日程で144試合行ったとしても、週末の回数が減るなど、興行的にマイナスになるのは明らかなので(それが企業として開催を主張するチーム側の本音かな、と思う)、チームに所属してプレーをしている以上、チームと利害関係が一致せず、チームの判断に要望を出すなら、世論を見方につけるだけでなく、それに対する自分たちの分担や代償も一緒に、ということになる。

選手はチームから年俸を受け取ってプレーをする、ある意味仕事であるのだから、やりたくない、というのであれば、一方的な要求ではなく、例えばその対価として、減収分の年俸を返上してもいい、被災地に寄付をする、などという声があってもいいはずだ。

デーゲームならいい、というのは選手の代償ではない。

これは開催するゲームをさらにいいもの、日本全体にとって価値のあるものにするために、チームやファンと一緒に考えていくべきものであって、選手の負担とは違う。

だから、選手会の「(自分たちの要望が通らなければ)開幕する試合に協力するべきでない」という主張は片手落ちに思える。

 

先にも挙げたように、復旧には相当な時間がかかることが目に見えている。

またスポーツイベントの開催にはプラス面もあることも確かである。

そして、復旧を待っていたら、いつになったら開催できるか、もしかしたら永久に開催できないかもしれない。

であれば、様々な面からメリット・デメリット、そしてできうる最高の手立てをしっかりと考え抜いた上、できることを、できる人が、すぐに実行する、ということも大事だと思う。

だから、今回の3/25のセ・リーグの強行開幕には反対、だが、みんなが納得した上できっちりと3/25に開催してほしい、と個人的には考えている。

この状況の中で、予定通りセ・パ両リーグ同時開幕、震災からの復興の力強いサポートになった、日本はこんなにすごいんだ、というところを見せてほしかった。

 

セ・リーグは一部の人の論理で強行するから駄目、パ・リーグの延期は妥当なところだ、あるいは、何でも簡単に自粛、中止、まあそれは仕方ないだろう、という論調にはならないでほしいのである。

 

話は変わり、本日、スカイツリーが634メートルの最高点に達したそうだ。

震災復興とは直接関係ないところで、建設に関わる人たちが努力を続けている。

日本の建築・建設技術は本当にすばらしい。

人の心も技術も、日本は捨てたもんじゃない。

 

自分もできることをできるだけしていこうと思う。

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3月11日に発生した東北関東大震災で亡くなられた方々にお悔やみ申し上げます。

また、被災された皆様には心よりお見舞い申し上げるとともに、被災地の一日も早い復旧をお祈りいたします。

 

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